中国式つるかめ算“鸡兔同笼”の解き方

2025年6月27日金曜日

その他

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台湾の作家・三毛(サンマオ)のエッセイに、こんな一節があった。

  美术课是一种痛苦,就如“鸡兔同笼”那种算术题目一样。我老是在心里恨,恨为什么偏要把鸡和兔子放在一个笼子里叫人算它们的脚。如果分开来关,不是没有这种演算的麻烦了吗?

三毛:《一生的爱》,《雨季不再来》


鸡兔同笼jītù tónglóng”、日本語で言うところの「つるかめ算」である。
日本ではツルとカメだが、中国ではニワトリとウサギを用いるようだ。
…と、ここまで書いてWikipediaを読んでみたら、元はキジとウサギだったのを日本が勝手にツルとカメに変えたらしい。

いずれにせよつるかめ算とは、足の数が異なる動物がいるときに、「動物の合計数」と「その足の数の合計」から、それぞれの動物の数を求めるための方法だ。

さて、実は私、ゆとり教育世代なのでつるかめ算を習ったことがない。
そのことを中国語教室の先生に伝えたら、「最近中国で流行っている解き方がある」と、つるかめ算の解法を教えてくれた。せっかくなので皆様にもシェアしたい。

“鸡兔同笼”の面白い解き方

例:一个笼子里有20个头,有52个脚。鸡和兔子各有多少只?
ニワトリとウサギが合わせて20羽いて、足は全部で52本。さて、ニワトリとウサギはそれぞれ何羽?


まず、ウサギにこう命令する。

    "抬起两只前脚!"(前足を上げて!)

するとウサギは後ろ足だけで立っている状態なので、ニワトリもウサギも2本足で立っていることになる。
鸡兔同笼

ニワトリとウサギは合計20羽なので、この時点で地面についている足の本数は40本。

    20×2=40(条)

しかし、本来は52本の足があったはずなので

    52-40=12(条)

12本の足が足りないことになる。
なぜ足りないのか?当然、ウサギが前足2本を上げているからである。
なので、12本の足をウサギの前足2本で割ると

    12÷2=6(只)

つまり、ウサギの数は6羽である。よって、

    20-6=14(只)

ニワトリは残りの14羽だと分かる。



めっちゃ分かりやすい!

イメージしやすくて納得

計算自体はWikipediaの「一般的な解法」と同じだと思うが、20羽全部をニワトリと仮定するよりずっとイメージしやすい気がする。少なくとも私はしっくりきた。
ちなみに、ウサギが後ろ足で立つことを、ウサギ用語で「うたっち」と呼ぶらしい。
うたっち
かわいい。

まあ、数学苦手な私としては、最初から分けておけ!という三毛の意見に心の底から同意する。


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